「相続人になる人がそもそもいない」「相続人全員が相続放棄をした」という場合、遺産や不動産はどうなるのでしょうか。このような「相続人不存在」のケースでは、通常の相続とは異なる特別な手続きが必要になります。今回は、相続財産清算人の選任から、特別縁故者への財産分与、最終的に遺産がどうなるのかまでを解説します。
相続人不存在とはどのような状態?
相続人不存在とは、法定相続人が誰もいない、または、法定相続人はいたものの全員が相続放棄をしたことで、結果的に相続する人がいなくなった状態を指します。おひとりで暮らしていた方や、身寄りのない方が亡くなった場合のほか、多額の借金を理由に相続人全員が相続放棄をしたケースなどで生じます。
相続人がいないと遺産はどうなる?
相続人がいない状態のままでは、被相続人名義の不動産や預貯金の名義変更・解約ができず、財産は宙に浮いた状態になってしまいます。故人に借金があれば、債権者も回収の手立てがなくなります。そこで、家庭裁判所に「相続財産清算人」を選任してもらい、遺産の管理・清算を進めることになります。
相続財産清算人の選任手続きと費用
相続財産清算人の選任は、利害関係人(債権者や特別縁故者になりうる方など)や検察官の申立てにより、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所で行います。申立てには収入印紙800円のほか、官報公告料(5,000円程度)や戸籍謄本の取得費用がかかります。また、遺産が少ない場合には、清算人への報酬にあてるための予納金として数十万円から100万円程度を裁判所に納めるよう求められることがあります。選任後は、相続人を捜す公告(6ヶ月以上)や債権者への請求申出の公告(2ヶ月以上)を経て清算が進むため、手続き全体としては半年から1年以上かかることも珍しくありません。
特別縁故者とは?財産分与を受けられる人
法律上の相続人ではないものの、被相続人と特別な関係にあった方(内縁の配偶者、事実上の養子、献身的に介護をしていた方など)は、「特別縁故者」として家庭裁判所に申し立てることで、清算後に残った財産の全部または一部の分与を受けられる場合があります。申立ては、相続人捜索の公告期間が満了してから3ヶ月以内に行う必要があります。
最終的に遺産はどうなる?
債権者への支払いや特別縁故者への分与を終えてもなお財産が残る場合、不動産のうち共有持分は他の共有者に帰属し、それ以外の財産は最終的に国庫に帰属します。
まとめ
相続人不存在のケースは、通常の相続登記や遺産整理とは進め方が大きく異なり、家庭裁判所とのやり取りも長期にわたります。「疎遠だった親族の遺産をどうすればよいか分からない」「特別縁故者として財産分与を受けられるか知りたい」といったご相談も承っております。初回相談は無料です。
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