相続対策として「生前贈与」を検討する方が増えています。生前贈与とは何か、どのようなメリットと注意点があるのか、2024年の税制改正のポイントも含めてわかりやすく解説します。
生前贈与とは?
生前贈与とは、財産を持つ方が生きているうちに、自分の財産を無償で家族などに譲り渡すことをいいます。相続の発生を待たずに財産を移転できるため、「特定の人に確実に財産を渡したい」「将来の相続に備えて早めに準備しておきたい」といった目的で活用される、代表的な生前対策の一つです。
生前贈与のメリットは?
生前贈与を活用すると、贈与者の意思で「誰に」「何を」「いつ」渡すかを決められるため、遺言に比べて確実性の高い財産移転が可能です。また、相続発生後に財産を分ける遺産分割協議とは異なり、贈与時点で受け取る人が確定するため、将来の相続人間の話し合いの負担を減らせる場合があります。教育資金や住宅取得資金など、必要なタイミングで財産を渡せる点もメリットです。
暦年贈与と相続時精算課税制度の違いは?
生前贈与の課税方式には、主に「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。暦年課税は年間110万円までの基礎控除があり、その範囲内であれば贈与税はかかりません。ただし、亡くなる前一定期間内の贈与は相続財産に加算される「生前贈与加算」の対象となり、この加算期間は2024年1月1日以後の贈与から段階的に3年から7年へと延長されています。一方、相続時精算課税制度は、2024年1月1日以後の贈与から年110万円の基礎控除が新設され、この基礎控除内の贈与は生前贈与加算の対象にもならないため、活用の幅が広がりました。どちらの制度を選ぶべきかは財産状況によって異なるため、具体的な税額の試算は税理士にご確認いただくことをおすすめします。
生前贈与を行う際の注意点は?
生前贈与は、後になって「贈与があった」ことを証明できるよう、贈与契約書を作成し、振込などの記録を残しておくことが大切です。口座の名義だけ変えて実質的に管理を続けている場合、税務上「名義預金」とみなされ、相続財産として扱われることがあります。また、不動産を贈与する場合は名義変更の登記が必要になります。加えて、特定の相続人だけに偏った贈与を行うと、他の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性がある点にも注意が必要です(遺留分についての記事もあわせてご覧ください)。認知症などで判断能力が低下した後は贈与契約を結ぶこと自体が難しくなるため、対策は早めに検討することをおすすめします(家族信託についての記事)。
生前贈与と遺言はどう使い分ける?
生前贈与は「生きているうちに確実に財産を渡す」手段であるのに対し、遺言は「亡くなった後の財産の分け方を指定する」手段です。両者は目的に応じて併用することも可能で、たとえば生活資金や住宅資金は生前贈与で早めに渡し、残りの財産の分け方は遺言で定めておく、といった組み合わせもよく用いられます。どちらが適しているかは家族構成や財産の内容によって異なるため、専門家に相談しながら検討することをおすすめします。
まとめ
生前贈与は、家族への想いを確実に形にできる有効な生前対策ですが、贈与契約書の作成や不動産の名義変更登記、遺留分への配慮など、専門的な知識が必要な場面も少なくありません。東京リーガルコード司法書士事務所では、生前贈与に伴う不動産の名義変更や遺言書作成のサポートを行っており、税額の具体的な計算については提携税理士と連携してご案内することも可能です。初回のご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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